新車or中古車!?

友人から「妹がバイクを買いたいというんだけれど、新車と中古車どっちがいい?
最初はコケそうだから中古が良いと思うんだけれど」と相談を受けました。
こういう質問、四輪(某チューンショップ)にいた頃にもよく聞いたけど二輪も四輪もあまし変わらないのかな。


極論を最初に言うと、


中古車両本体価格+消耗品代(タイヤ等)+補修代(走る性能以上に替えたい箇所)<新車価格


になれば良いと思います。
新車は当然ですがタイヤもパッドも全部新品で、治す箇所がありません。
中古の場合は場合によっては交換したり直したりする必要があります。


消耗品はともかく補修代は、どんな用途でバイクに乗るか、どれだけ愛着を出せるかです。


私見ですが、コカそうが、ぶつけようが、新車に超したことはありません。
乗り始め1年は過保護&臆病なのが程よくいいです。
しょっちゅうがっしゃんがっしゃんやってたら「修理代で新車買えました」なんて事になります。


私も中古で二代目RVF400R、KSR-2を買いましたが、既に絶版車であった為に中古です。
新車があったら10〜20万高くてもちょっと我慢してお金貯めてそっちを買います。


▼以下は、私が車屋にいた頃の経験から見た意見です。
※別に中古車屋さんを責める訳ではありませんし、良い中古屋さんもいます。
ただ、車のチューン屋にいた頃は「上質な中古車」というものに出会ったのが10〜15台に1台って割合でしたので。
逆に「即座に走行に影響は無いけど、性能は思いっきりダウンしてる」はよく見ました。
持ち込まれるのがS13とかR32とかAEとかB5なんて走る車種ばっかだったし。


新車から5年以後経ってると経年劣化でブッシュなり、色々な所にガタが来ます。
4つタイヤがついていて安定している車と違い、バイクはガタが来ると割とすぐに運転に支障が出ます。
フレームまで逝った事故の場合、街乗りでは平気だけれど高速走ったら「あ!」という事もあります。


それをミントコンディションに持っていこうとすると、それなりにお金が掛かります。
タイヤだって400ccクラスなら前後で2万ぐらい掛かるし、大型SSだと4〜5万ぐらい掛かります。
よく「タイヤ〜分溝あり」とありますが、輪ゴムを放置しておくとぼろぼろになるよう、タイヤも経年劣化があります。
溝があっても「製造」されてから2〜3年でひび割れしますし、グリップの要となるコンパウンドは硬くなってつんつるてんになって、ちょっと固めの路面ではつるっといきます。
走行距離が少なめ、年式はそれなりに経過、でもタイヤは純正品で溝が多いって場合は交換対象です。
KSR-2の時、クラッチOH、タイヤ・気になる部品は結構変えました。
それでもスイッチ類は経年劣化で白色化してるし、電送系は手付かず、サスのOHとか完全にするにはあと4〜5万掛かります。
購入時のお金が31万で今まで交換した部品・工賃がおおよそ8万、十分新車が変えます。
無論購入時そのままで乗る事も出来ますが、以後の事を考えたら交換したら良い部品は結構な数に上り、必要最低限から初めてようやく普通に走れるまでこれだけ掛かると、やっぱり新車を勧めざる獲ません。


結局は自身のスタイルにもよりけりで「取りあえず買って、色々デコして楽しみたい」という人もいれば「ノーマルでもいから長く大切に乗りたい」という人もいるし「脚だと割り切ってるので」という方もいます。
取りあえず言えるのは「安全最優先」ですね。
極端な話、正しく「走る」「止まる」「曲がる」が出来るバイクなら外装がぼろぼろでも問題ありません。


▼もし買うなら最低限これだけはという点



・相場をみましょう。
 中古市場には、必ず相場があります。
 同じ年式で、似たような走行距離でずば抜けて安い場合「何故安いのか?」という事を考えた方が良いです。
 [Gooバイク] http://www.goobike.com/


・お店、車体が店内展示なら割と安心。
 お店の外に並べてある場合はちょい考えた方がいいかも。
 雨風にさらされ、炎天下の下でカバーもなしに開店から閉店まで出しっぱなし。
 そんな環境下では見えない所のゴムは劣化するし、鉄は錆びます。

・大型チェーンはそれなりに安心
 RVFはSOXグループで購入しましたが、流石に大型チェーンだけあって品質・サービス共に良かったです。
 店に歴史があり大きくなるには信用が第一です。
 そういうお店は同型機でも程度や年式で如実に価格が違うので、比較もできます。
 あとグループ内の在庫も共有しているので、車種が豊富です。

・中古車雑誌等で載ってる車体はアテにしない事、即時性で更新が頻繁にあるGooバイク等を中心に探す。
 本に掲載されてるバイクで不人気社ならともかく、本当に良いものなら掲載日まで売れ残っている率は低いです。

・即決は余程信用があるか、自分で面倒を見きれる自信が無ければ避ける事。
 本当に「これめっちゃ気に入った!」と本当に思ったのなら「商談中」でキープしてもらましょう。
 1〜2日なら猶予してもらえます。その間その他に良いものが無いか東奔西走してください。
 自分の命を預ける大切な相棒、少しぐらい自分の脚で調べて勉強しましょう。
 大体「あの店より良いもの」は2〜3件先に見つかる事が多いです。

・お店の人に「予算おいくら?」と聴かれて素直に答えない事。
 お金持ってる=買う気があると判断したら猛然と押し切きってきます。
 「なかなか入ってこない」「商談中になるかも」「あとわずか」「すぐ売れちゃう」は売り手の常套句です。
 押し切られそうだったら「明日か明後日までに返事しますんで」とか「預金残高見ないと判らない」と言う事。

・無茶な要求以外で何か言って「ならよそのお店へ行け」と言うお店は危険です。
 (実際、都内のレプリカ専門店で言われました)本当によそのお店へ行った方がいいです。
 何かあったら、同じような台詞で対応されます。

・買うと決めたら試乗できます?って聞きましょう、駄目という店はやや心配。
 軽く見たいのならエンジン掛けてもらう事、マフラーに手を当てて4ストでオイルがついたり黒くなったらアウト。
 エンジンが一発始動できるか?を確認します。
 一発で掛からない=元から調子が悪いか、ずっと売れずに残っていたのどちらかです。

・整備記録(手帳)があるかを確認しましょう。
 これだけで走行距離改ざんしていないか、前のオーナーが大切にしてたか、事故してないか?が判ります。
 整備手帳が真っ白だった場合、ろくすっぽにメンテされていない可能性があります。
 定期的にメンテされているなら、ちゃんと記帳されているのです。

・ハンドルストッパー(ハンドルをめいいっぱい切った時に引っかかるノッチ)が潰れたり曲がってないか見ます。
 これが潰れてたり、溶接されてたら前を全損してフォークを交換しています。

・ビス、ナットが錆びてないか、ねじ穴やナットの山が潰れていないか
 特にエンジンのドレンボルト、ハンドルの上(トップブリッジ)が錆びてないか。
 経験談KSR-IIのドレンボルトがねじ切られてて、修理代に2万取られました

・タイヤに割れが無いか、あるなら新品(ここ重要)交換してくれるか?を交渉する事。
 あと納車費用がかかるのなら何をチェックして何を新品交換してくれるのかを聞きましょう。
 酷い話、洗車だけで納車費用に1万近く取られる事があります。
 オイル・フルード交換、バッテリーチェックは最低やってもらいましょう。
 ブレーキパッドを交換してくるのなら良いお店かもしれません。

・ホンダ車なら「ホンダウィング」、スズキなら「スズキワールド」等、2〜3万高くてもメーカーディーラーさんで買った方が良いです。
 あとから「〜がどうだった」「〜の調子が」という対処もしっかりしてくれます。

以上でした、参考になれば幸いです。